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5月20・21日、パシフィコ横浜にて
第12回日本疲労学会の総会が開催
疲労についての研究発表と社会的な取り組みの紹介

2005年に、疲労全般に関する研究発表、知識の交換の場として「日本疲労学会」が発足。第12回目となる本総会では、横浜国立大学の小泉教授が会長を務め、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で行われました。開会冒頭では“未病”を基軸に様々な取り組みを推進している神奈川県の黒岩祐治知事があいさつに立たれました。

「未病を改善し健康寿命を延ばそう」と活動される黒岩知事

その後、神奈川県の理事を務める首藤健治氏が登壇。最先端医療と未病の改善という2つのアプローチによる神奈川県独自の「ヘルスケア・ニューフロンティア」の取り組みで目指す、超高齢社会の進展に備えた、①元気で自立したお年寄りを増やす社会づくり、②ロボットの技術が支える社会づくり、③支え・支えられる社会づくりについての招待講演が行われました。

神奈川県独自の超高齢社会への取り組みを語る理事の首藤氏

基調講演は、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターの渡辺恭良先生。 JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)の支援事業、リサーチコンプレックス推進プログラムの取り組みで、社会の一員として生涯現役で社会参加できるように、個人健康の最大化について講演がありました。

リサーチコンプレックス推進プログラム 地域に集積する産・学・官・金(金融機関)のプレイヤーが共同で5年後、10年後からその先に実現される地域の姿と社会的価値を「ビジョン」として掲げ、国内外の異分野融合による最先端の研究開発、成果の事業化、人材育成を一体的かつ統合的に展開するための複合型イノベーション推進基盤としてのリサーチコンプレックスを成長・発展させ、地方創生にも資することが目的。

その後、「疲労と脳科学」をテーマにしたシンポジウム、さまざまな研究発表をもとにしたポスターディスカッションと続きました。

「急性身体的疲労によって誘発される脳活動の亢進:脳磁図研究」 「脳磁図計を用いた新規開発香料の抗疲労効果に関する検討」 「小児の疲労と高次脳機能・情動機能」 等研究結果が発表された。

ポスターディスカッションでは、「ゲンキ還元プロジェクト」が情報提供をしているコエンザイムQ10(還元型)のタクシードライバーに対する抗疲労作用の臨床研究データや入浴と睡眠の関係、小中学生や人間関係での疲労、疲労と脳機能など数多くの研究が発表されており、活発な議論が交わされていました。

また、総会会場の隣では、疲労やストレスを測定し、可視化できる最新の機器が展示され、気軽に体験できるものも。疲労やストレスは自律神経機能と密接な係わりがありますが、この機器は、手のひら大の測定器に指を入れるだけで脈拍と心電波を測定し、その心拍変動を瞬時に解析して、自律神経のパワーとバランスを見える化します。また、心拍変動をリアルタイムで解析できるシステムなども紹介されていました。
疲労やストレスを可視化することが簡単になると、疲れをためないことやストレスを発散することによって、健康な生活を維持し増進する意識が一層高まりそうです。

計測器に指を入れるだけで自律神経機能を測定できます。驚くほど手軽です!(村田製作所と疲労科学研究所が開発中の製品)

疲労というと、どこかネガティブな印象がありますが、突き詰めていくとポジティブに生きることに行きつく気がしました。超高齢社会が現実のものとして迫ってきている今、健康に長く暮らせるように研究が進められていると感じました。