ゲンキ還元レシピゲンキに役立つ食材の栄養とレシピを紹介します。
テーマ:骨を強くする
乳製品だけじゃない!
魚や野菜を組み合わせて
丈夫な骨を。
骨は固く、一度出来上がったら変わらないようにみえますが、
実際は破壊(吸収)と形成を繰り返す、活発な代謝をする器官です。
カルシウムは骨以外にも刺激の伝達や出血した際に血液を固めるなど
様々な働きをしているため、私たちの体は血液中のカルシウムが不足し
濃度が低くなると骨を溶かし、濃度を上げるよう調節します。
つまり骨はカルシウムの貯蔵庫としての役割を果たしています。
食事でとるカルシウムが足りない時や、女性の場合は閉経といった
骨代謝のバランスが乱れる時は骨の破壊(吸収)が進み
骨のカルシウムが少なくなりやすくなります。
また、骨は文字通り、骨組みのたんぱく質(コラーゲン)に
カルシウムが沈着した構造をしています。
建物に例えると鉄筋がたんぱく質、セメントがカルシウム。
丈夫な骨を作るには両方が必要です。
その他にも骨の代謝にはビタミンD、K、Cやマグネシウム、リンなどが
関わりあっていることがわかっています。
なお、ある研究でコエンザイムQ10(還元型)には
骨代謝回転を亢進させると示唆されています。
そして、丈夫な骨を作るには食事と共に体を動かすことが欠かせません。
ひとつの食べ物にこだわらず、主菜、副菜、乳製品を組み合わせて満遍なくとり、
自分の体力に合わせて体を動かすことを心掛けましょう。
牛乳、魚、野菜の組み合わせで丈夫な骨を!

吸収の良いカルシウムを含む牛乳、たんぱく質とビタミンDを含むいわし、
カルシウムとビタミンK、Cを含む水菜を組み合わせた
丈夫な骨づくりにかかわる栄養素が取れるメニューです。
いわしはオリーヴオイルの香ばしい香りとサクッとした歯触りが楽しめます。
魚の臭みを和らげることができるので、骨を強くしたいお子様向けにもおすすめです。
トマトとバジルのソースを添えることでさっぱりといただけます。
バジルが手に入らないときはしそに変えてもおいしいですよ。
【大切な成分をチェック!】
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牛乳 カルシウムは吸収率が低い栄養素ですが、牛乳は吸収率が高く効率よくカルシウムがとれます。骨の材料になる、血液を固めて出血を止める、神経の働きや筋肉の活動を調節する働きをします。 |
水菜 緑黄色野菜のひとつでカルシウム、カロテン、ビタミンC、ビタミンK、葉酸を多く含みます。ビタミンK、ビタミンCは骨組みとなるたんぱく質の合成に必要な成分です。 |
いわし たんぱく質、ビタミンD、コエンザイムQ10(還元型)を多く含みます。いわしのあぶらには心筋梗塞や狭心症などを防ぐといわれる脂肪酸DHA、EPAが含まれています。 |
【レシピ】
いわしのパン粉焼き
エネルギー 161kcal、カルシウム 69㎎、ビタミンD 20.8μg
材料(2人分)
まいわし 2尾【CoQ10 0.8mg】(ゲンキ還元プロジェクト調べ)
塩・こしょう 少々
小麦粉 1/4カップ
パン粉 適量
サニーレタス 2枚
オリーヴオイル 適量
トマトとバジルのソース(トマト 1/2個、バジル 4,5枚、塩 小さじ1/3、砂糖 ふたつまみ)
【つくり方】
1. いわしは頭と内臓を取り除き、手開きにして、塩、こしょうを振っておく。トマトは5ミリ角にバジルは千切りにする。 ボウルに入れ、塩、砂糖を加えて混ぜ合わせ、冷蔵庫におく。
2. ボウルに小麦粉と水(1/4カップ、分量外)を混ぜ合わせる。1のいわしは水気をふきとり、 水で溶いた小麦粉、パン粉の順に衣をつける。
3. フライパンに2センチくらいの深さになるようオリーヴオイルを入れる。170度くらいになったら2のいわしを入れ、 両面をこんがりするまで揚げ焼きにする。
4. 器にサニーレタスを敷き、いわしを乗せ、トマトとバジルのソースをかける。
水菜のポタージュ
エネルギー 66kcal、カルシウム 121㎎、ビタミンD 0.2μg
材料(2人分)
じゃがいも 小1/3個(30g)
たまねぎ 1/4個(50g)
水菜 1/2把(100g)
牛乳 1/2カップ(100ml)
塩 小さじ1/3
塩、こしょう(白) 少々
【つくり方】
1. じゃがいも、たまねぎは皮をむいて一口大に切る。鍋に塩と水(1カップ)を入れて弱めの中火で 野菜が柔らかくなるまで蓋をして煮る。煮えたら、火からおろして粗熱をとる。
2. 水菜はたっぷりの湯でゆでて水にとる。水気を切って絞り、ざく切りにする。
3. ミキサーに1と2、牛乳を入れてなめらかになるまで攪拌し、鍋に戻す。弱火にかけて沸騰直前まで温める。 塩、こしょうで味を整える。
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ここがポイント |

いわしを片手で持ち腹側から親指を入れ、
中骨の上から背中側に身をはがすように押し込みます。

まな板の上に置き、中骨をはずします。

さらに細かい腹側の骨を包丁でそぐように切り落として出来上がり。
今回はいわしの手開きをご紹介しましたが、
すでに開いたいわしを使うとさらに手軽に作れます。
【料理のヒントなど】

オリーヴオイルを使うことで魚の臭みを和らげることが出来ます。
オリーヴオイルは酸化しにくいオレイン酸という脂肪酸を多く含みます。
コエンザイムQ10(還元型)は油とともにとると吸収率が高くなりますので、
献立選びのヒントにしてくださいね。
【注釈】
出典の記述のない栄養価は文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」に基づいて
算出しています。食品の栄養成分は保存状況、調理法により変わります。
目安として日頃の食事にお役立てください。
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【監修】
管理栄養士・藤内薫さん大学卒業後、フィットネスクラブに就職しダイエットプログラム開発、広報誌へのレシピ、食の情報紹介などに携わる。 フィットネスクラブ退職後は自治体や企業での健康教室講師や乳幼児の離乳食から中高年の特定保健指導(メタボ予防・改善)まで幅広く活動。 特定保健指導では500名以上の相談に携わるが、その中で、一人暮らし、高齢、仕事や育児で忙しいなどの理由で料理をすることが難しい方に食事を提供するお総菜屋さんに魅力を感じる。 現在は、東京都八王子市で「おそうざい・おべんとう ユタカ」を経営。著書に『サプリのように摂りたい!コエンザイムQ10レシピ』(河出書房新社、株式会社ティップネスと共著)。